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シュガーヒル

第4章 バレンタイン



「さぁ、今日はこの店で美都の洋服を買おう…」
「え?私の服?」

「そうさ、僕が何でも買ってあげるよ…」
「だって、お金がかかるわ…」

「大丈夫さ、最近僕、友達の東くんと株の勉強を始めたんだ…」

ヤマザキはこの頃、同じ派遣会社で働く東(アズマ)くんと一緒に株の勉強を始めた様だった。
私は株式投資には詳しくないので細かいことは分からなかった。

だが、手始めに10万の投資から初めて、安定した銘柄の株を買う事にしたらしかった。
株主になれば、それなりの特典もあるらしい。

ヤマザキはそれなりの貯金もあった様なので、株式投資をやってみたかったのだろう。

「友達の東くんは、10万を元に、100万儲けたらしいんだ…」
「そうなの?」

「うん、そうらしいよ…」

私はそれをただ、黙って聞いていた。
そんな私の思いをよそに、ヤマザキは洋服を選んでゆく。

黒のノースリーブのミニワンピを見つけた。

「美都、これなんかどう?似合うんじゃない?」

そう言うと、それを私の身体に当てがって様子を見ていた。

「ちょっと若い子の服過ぎないかな?」
「そんな事ないよ。試着してみれば?」

そう言われて私はそのノースリーブのワンピの試着をしてみたのだ。
すると、どうだろう。

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