第3章 お持ち帰り
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、ヤマザキは全裸でようやくシャワールームから出てきた。
「お待たせ…」
「うん、淋しかったわ…」
私は、ヤマザキにそう言って甘えて見せた。
すると、彼は優しく私の唇に自分の唇を重ねてくれた。
始めはフレンチに、そしてディープキスへと変わってゆく。
ディープキスを繰り返しながら、ヤマザキの手は私の乳房を揉み解し、やがてその手は花弁へと向かっていった。
花弁に彼の指が入って来る。
「ふっ、あっ、うん…、だ、ダメ…」
声にならない声で悶えながらそう呟く。
ダメだと言っておきながら、身体は正直に濡れてゆくのだった。
「美都…美都の身体は凄いね…キスだけでこんなになるなんて…」
首筋にキスをしながら私の耳元でそう囁くのだ。
男女の仲と言うのはとても不思議だ。
ベッドインしたその瞬間からお互い、もう恋人同士の様に名前を呼び捨てにするのだ。
先ほどまでの“さん”付けの名前はどこに行ってしまったのだろう。
そんな、事を思いながらヤマザキの巧みな指先使いで私の身体は濡れてゆくのだった。
私は、花弁に指を入れられると堪らなくヤマザキのペニスが欲しくなった。
「ヒロくんに挨拶してもいいかな?」
私はこの時とっさに、ヤマザキの下の名前を思い出し“和弘”なのでヒロくんと呼んだのだ。