第25章 懐玉
「」
「なぁに?」
「私は少しの間、姿を消すけど何も心配しなくていいから」
「?」
「全部終わったら、必ず戻ってくるよ」
「どこか行っちゃうの?」
「ほんの少しの間ね。その間、辛い思いさせるけど我慢だよ」
「パパとママは?」
「出張で遠くへ行くんだって。暫くこの家でいい子にして過ごせるね」
「……うん。……あのさ、お兄ちゃん」
「ん?なんだい?」
「お兄ちゃん、何かあったの?」
「え?」
「泣いてる、から……」
小さな手が私の頬に触れた。
そして自分が涙を流していることに気が付いて、自嘲気味に笑った。
「……親友と喧嘩してね。仲直りできないんだ」
「ごめんなさいしてもだめなの?」
「ああ」
いつものじゃれあいのような喧嘩だったどれだけよかっただろうか。
もう、何をしても手遅れなんだよ。
「じゃあ、私は行くよ」
こうして私は幼い可愛い妹を置いて、一人夜の世界に消えた。
その後、私は盤星教を乗っ取るためにとある人物に接触した。
その男に宗教団体の役員全員を集める様に言えば、二つ返事で返してくれた。
日程を決め、その日に全員を招集すると言う。