第25章 懐玉
可愛い妹を殺さない事への安心半分、彼女もまた虐げられるのではないかとという不安半分。
妹まで非術師たちによって傷つけられるのは耐えられない。
彼女がずっと笑って平和に過ごせる世界を作らなければ。
「!!お手伝いしてもらえる?」
「うん!!」
そう思った時、母親がえ妹を呼んだ。
どうやら彼女は幼いながらい家事を手伝っているようだった。
そして、食卓に並べられる夕飯はどれもおいしそうだった。
「ありがとう、母さん、」
「も手伝ったからね!!これ!!これ、が作ったんだよ‼」
私に食べて欲しいと言う妹が指さすハンバーグは、確かに形も大きさも歪だった。
だけど、嬉しそうに笑って楽しそうにおしゃべりをするから、私はその歪なハンバーグを箸で掴んだ。
食事に感動も喜びも満たされる幸福も何も感じなくなり必要性を見失っていた。
ただの「食べる」という行為として割りきっていた。
そんな味気なさはもうとっくの昔に慣れたんだ。
だから。
こんなに温かくてまともなご飯は久しぶりで。
何を食べても呪霊の味がして嫌だったはずなのに、今は、今だけは楽しくて、嬉しくて、温かくて。
「ねぇ、おいしい⁉おいしい⁉」
私に似た細い目が輝ていて。
くすりと笑いながら私はハンバーグを口の中に入れた。
じゅわりと広がる肉汁に、あたたかさを感じた。
ハンバーグだけじゃない、味噌汁にも、他のおかずにも。