第25章 懐玉
その後、美々子と菜々子を病院へと連れて行った。
彼女たちの保険証は、家の中を物色したら簡単に見つかった。
よかった、これでなかったら発行しなくちゃいけないところだった。
病院での診察を終えた後は、ホテルに彼女たちを匿った。
すぐに住める家がないのは不便だ。
どうにかして暮らせる場所を見つけなければ。
「少し出て来るけど、大人しく待っていられるかい?」
ホテルのベッドに座る2人は小さく頷く。
「いい子だ。暇だったらテレビを観ててもいいし、たくさん寝ていてもいい」
ここには君達の行動を非難する者は誰もいない。
私はホテルを後にして、実家へと足を運んだ。
親だからと言って、特別視なんかしない。
「ただいま」
「おかえり……って傑⁉急に帰ってくるなんてどうしたの?」
何も連絡も入れずに実家に帰ると、母親が驚いた表情をして私を見ていた。
「少しやつれたんじゃない?ご飯ちゃんと食べてる?」と子を思う母親の愛情に、どうしてこんなにも気持ち悪さを感じてしまうのか。
「ご飯食べて行くでしょう。すぐできるから待ってて」
「あ、いや……」
夕飯を食べる気なんてなかった。
だけど、無理やりに中へ引きずり込まれてしまって。
「お兄ちゃん!!おかえり!!」
居間では、お人形遊びをしていた妹、がキラキラと顔を輝かせて、パタパタと私の足に飛びつき見上げる。
その瞳が美々子と菜々子に重なった。
そして気付いた。
には術式が使えることに。
「、これ、見えるかい?」
それを確かめるために私は美々子たちに見せたのと同じことをしてみせた。
するとは、「見えるよ」と明るく答えた。