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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第25章 懐玉








指先から従えている呪霊を出し、「大丈夫だよ」と安心させるために言った。
私は敵ではない、むしろ味方なんだと。

非術師を見下す自分。
それを否定する自分。
どちらを本音にするのか。

こんな惨劇を目にしても、術師としては当たり前のことで、当たり前のことだから、当たり前のことだからこそ。
真っ当でいたかった。
だけど、もう。
真っ当ではいられなかった。

「皆さん、一旦外に出ましょうか」

非術師を見下す自分。
それを否定する自分。
どちらを本音にするのか。

それは、私がこれから選択をすることだ。

"弱者生存"。
それがあるべき社会の姿。
呪霊の発生を抑制したいなら、この世界から呪霊を生まれさせないようにしたいなら、非術師を殺すしかない。
そうすれば何も生まれない。
心の平穏が訪れる。

力があるか否か。
力がないなら目に見えない脅威に脅えたまま死んでいといい。

だから私は、村人112人を殺した。
こんな奴らのために、猿のために、術師たちは死んでいく。
虐げられ、侮辱され、呪われていく。
馬鹿馬鹿しい。
呪霊を生み出しているのは非術師なのに、呪いも見えない術式も使えない猿どものくせに。

「私と来るかい?それとも、ここにずっと留まるかい?」

村人を皆殺しにした後、私は少女たちが閉じ込められている座敷牢へと行き、鍵を開けた。
そして彼女たちに選択肢を与えた。
彼女たちがこれからを選択をするための。

少女たちは顔を見合わせると、恐る恐る牢の中から這い出て私の制服のズボンの裾を掴んだ。
見上げる瞳は恐怖と不安が入り交じっていたが、それでもどこか何かを期待しているようなそんな瞳だった。

目線に合わせる様にしゃがみこんで、2人の頭を優しく撫でた。

上着を脱ぎ棄て、少女―――美々子と菜々子を連れて私は村を後にした。





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