第25章 懐玉
そして次の日。
灰原は遺体となって帰ってきた。
一緒に任務に行った七海も軽傷とは言え、怪我をしていて。
聞けば、なんてことはないただの2級呪霊の討伐任務だったという。
だが、産土神信仰という土地神に彼等は破れた。
また、信仰……。
非術師たちが生み出した呪霊……。
遺体に掛かっている布をそっと外す。
固く閉ざされた瞳。
顔に付いた大きな傷。
そして上半身だけの身体。
私よりも若い人間がまた、死んだ。
「今はとにかく休め、七海。任務は悟が引き継いだ」
「……。もう、あの人1人で良くないですか?」
その一言にはいろんな意味はが込められているだろう。
けれど、私には七海の本意を読み取ることができなかった。
そしてその言葉に対して「そんなことないさ」と、返せなかったことに、私は少し安心して嫌悪を抱いた。
【もう、あの人1人で良くないですか?】
そうだろうね。
悟は、最強だから。
術師というマラソンゲーム。
その果てにあるのが、術師の屍の山だとしたら……?
私達は何のために誰のために戦っているんだ。