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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第25章 懐玉









……死んでなかったら、殺していた?
どうだろう、もしかしたらそうしていたかもしれない。
分からない。
今は、何もわからないや。

「意味ね……。それ、本当に必要か?」
「大事なことだ。特に術師にはな」

ぐちゃぐちゃな頭で考えた結果、上辺だけの言葉を吐いた。
そうであって欲しいと私自身がそう思いたいからそう言っているだけの。
私の思想を曲げないために、信念を保つための。

あの後、理子ちゃんの遺体を高専へと持って行った。
正直そこから先は何も覚えていない。
任務を失敗したことで夜蛾先生に怒られるのだろうかと、頭の隅っこで思っていたけど、何も言われなかった。
それどころか気持ち悪いことに私達の体を優しく抱きしめた。
おっさんくさい臭いが鼻の奥までツンとやってきて、顔を思い切りしかめた。
そうでもしないと何かが色々と零れ落ちそうな気がしたから。

悟も私も何も言わずに部屋に戻った。
一人になると嫌でも脳裏を過る光景に胸が引き裂かれそうな感じがする。

弱い者を守るために術師はいるはずなのに。
誰のために存在しているのか、分からなくなってきた。

【コイツら、殺すか?】

頭の中で反響する悟の言葉。
「殺せ」って言わなかったのは善人だからじゃない。

まずそもそも善人とはなんだ。
人を殺していないから善人なのか。
善人だから人を殺していないのか。
答えなんか見つかるわけがないのに、答えを見つけようとずっと問答を繰り返す。

結局のところ。
大事なんだ、悟の事が。
善とか悪とかどうでもよくて。
私は君を汚したくなかった。
綺麗な白い髪と青い瞳を、血溜まりの中に突き落としたくなかった。
そのまま綺麗なままでいて欲しいと、そう思ったんだ。





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