第25章 懐玉
都内を走り回って漸く、悟のいる施設を見つけたと思う。
その根拠となったのが、男と主従関係を結んでいたあの呪霊がいたからだ。
こちらを見て呪霊は「お母さん」と言っているようなそんな気がした。
このままここに放置するわけにもいかず、また武器庫として使えると思い、私はそいつを取り込み、そして建物の中へと入った。
建物内の最下層へと続く階段降りる。
窓一つないコンクリートの壁は日の光が入ってこないためひんやりと冷たい。
一目を避ける様に作られた扉の奥から悟の気配がした。
ゆっくりと扉を開け、私は中へ入りそしえ自分の目を疑った。
何十人もの非術師の中心に立つ悟と白い布を被せられた理子ちゃんの遺体。
盤星教の信者たちは理子ちゃんの遺体を拍手で迎え喜んでいた。
「遅かったな傑。いや、早い方か。都内にいくつ盤星教の施設があるって話だもんな」
静かに話す悟は、今まで見たことないほど落ち着きはらっていて何より纏っている空気が不気味すぎる。
底知れない強さを感じてしまった。
私がいない間に悟に何があったというのか……。
「硝子には会えたんだな」
「あぁ。治してもらった。私は問題ない」
そう、私は問題はない。
だが……。
白い布から力なく理子ちゃんの腕が垂れる。
指先から落ちる真っ赤な血を見て、夢だと思いたかったけどどうやら現実みたいだ。