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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第1章 復讐






そのあと、どうやって家に帰ったかは覚えていない。
真っ暗な部屋に。
電気をつけても誰もいない空間に。
私一人だけ、突っ立っている。
本当は、ここにいるはずだったのに。
戻って来て、また一緒に過ごせるはずだったのに。
私一人だけ……。

信じたくない。
でも現実なんだ。
ここに、兄が、いないことが。
現実なんだ。

体の奥が熱くなって、それが上に登ってきて、涙となって零れる。
ぼたぼたと大量の大粒の涙が床を濡らす。
その場に座り込んで私は大声で泣いた。
赤子のように。
拭っても拭っても止まる事のない涙。

「あああああああああっ!!」

もう、兄の声を聞くことも無い。
抱きしめてもらう事も頭を撫でてもらう事も。
笑顔で、迎えてくれることも。

枯れることのない涙。
床に水たまりを作っていく。
喉がつぶれるんじゃないかってくらい叫んだ。

「……てやる………ろしてやる…………殺してやる……」

私の幸せを。
待ち望んだ未来を。
兄を追い詰めて殺した男を。
五条悟を。

「殺してやるっ!!」

心に誓った。
どんな手段を使ったっていい。
五条悟を地獄の底に落として殺す。

そう誓った瞬間。
涙は止まった。
もう、やることは決まっている。
私は立ち上がって、呪具を持って外へと出た。



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