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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第22章 黒閃







だけど、俺が中学3年に上がって間もなく。
津美紀が呪われた。

正体不明、出自不明。
全国に同じような被術者がいると聞いた。
何もわからないということだけがわかって、津美紀は寝たきりになった。

その時、馬鹿な俺は初めて気が付いたんだ。

【誰かを呪う暇があったら、大切な人の事を考えていたいの】

いつも笑って。
綺麗事ばかり吐いて。

【人を許せないのは悪いことじゃないよ。それも恵の優しさでしょう?】

俺の性根すら肯定する。
汚い俺ですら、太陽のような明るい笑顔で許してしまうんだ。

そんな津美紀も俺が誰かを傷付けると本気で怒った。
俺はそれにイラついていた。
事なかれ主義の偽善だと思っていた。
自分が争いが嫌いだからってその考えを俺に押し付けんな。
迷惑なんだよ、嫌いなんだよ。
だから津美紀に対して態度が冷たくなったしまった。

でも今は、その考えが間違いだってわかってる。
俺が間違っていた。

俺が助ける人間を選ぶように。
俺を選んで心配してくれてたんだろ。
悪かったよ。
ガキだったんだ。
何も見えていなかった。
知ろうとしなかった。
分かろうとしなかった。
謝るからさ。
さっさと起きろよ、バカ姉貴。

「……伏黒、大丈夫か。オマエ……」

この八十八橋の呪いも重複してただけで、津美紀が寝たきりの原因になった呪いは解けてないだろうな。
あとは指のことを虎杖に何て……。

領域展開で呪力の消費量が激しい。
頭がぼうっとし、俺は落ちてくる瞼に抵抗できないまま、そのまま眠りについた。
夏油が俺を呼ぶ声がしたけど、悪い。
今は少しだけ寝かせてくれ。



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