• テキストサイズ

【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第22章 黒閃







俺も夏油もハイになっていた。

「伏黒ォ!!もっと自由にやってみろよ‼」

瞳孔が開きまくっている夏油の楽しそうな声が聞こえ、その声に煽られるように俺もまた影を自由に、術式の想像を、解釈を広げる。

鵺を飛ばし、蝦蟇を放ち、万象を、玉犬を――――――。
夏油が隙を作ってくれているおかげで、俺は自由に動けている。
楽しくて仕方ねえ!!

だが、特級もずっとやられっぱなしとはいかなかった。
呪力を影全体に放てば、俺の不完全で不格好な領域は崩れる。
いや、わざと崩したんだ。

そうすれば奴には不意を喰らい、油断しまくっている特級の懐に入るくらい簡単だ。

隙だらけの特級の腹に夏油の鍵が貫かれた。
残り僅かの呪力がそうさせたのか、それともハイになっているからなのか分からないが、夏油の意識が研ぎ澄まされているのを感じた。
そして彼女の呪力が黒く光り、鍵に流し込まれる。

黒閃……。

鍵が差し込まれた箇所が大きくはじけ飛ぶ。
それでもまだ力が余っている特級は夏油に腕を伸ばすが、玉犬が特級の胸を貫く方が早かった。
奴の体内に取り込まれた宿儺の指を回収すれば、特級は跡形もなく消え去り、結果も消えた。

「……疲れた」

地面に膝をついて、ぼうっとする頭の中に思い浮かぶのは後二人の同級生のこと。

「……どこだよ、アイツら」

こみあげるモノを口から吐き出し、地面に倒れた。





/ 844ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp