第21章 諦念
「……泣くとさ、すぐにさ、うぜぇとかめんどくせーとかかわいこぶってるとかいう奴いんじゃん」
「うん?」
「え、なんの話?」
「こんぶ?」
「思うんだけどさ、かわいこぶって泣く奴いねえだろ。泣き顔なんて不細工なんだから。でも周りは泣けば済むみたいな言い方しやがって。泣いて許されんのは犬と猫だけだわ」
「パンダは!!?」
「パンダはクマ科だから含まれません」
「ツナツナ」
狗巻棘が口を開けて上を向いた。
どうやらそれをやると泣かないらしい。
「へー」と声を出して野薔薇以外の3人は口を開けて上を向いた。
「……って、ナニコレ⁉」
テーブルを思い切り叩く野薔薇。
また脱線した。
どうしてこうも脱線するのか。
私のせいか……。
一拍置いた後、私は口を開いた。
「わ、かんないんだよ……。自分が今何を考えているか、なんて……。ぐちゃぐちゃで、考えがうまくまとまんない……」
「」
おじやが入っていた器を見つめ、私は自分の今の本音を零す。
すると、野薔薇が口を開いた。