第21章 諦念
「……振られた、というか……やっぱり、振られたんかなぁ」
「いや、知らん。何を自己完結してんだ」
「告白したのか?」
「してない」
「ちょっと整理させてくれない?あんたアイツの家に行ったの?」
「………行った」
私は頷く。
歯切れが悪くなったのは、あの現場を思い出したのとこいつらが思ってる家が本家なのかあの家なのか分かんなかったから。
本家には行ってないけどもう一つの家には行った。
その場合、どっちで答えたほうが良かったんだろう。
まぁいいや。
考えるの面倒くさい。
「告白するために行ったの?」
「違う。………忘れもの、して。アイツに術式のことを聞きに行ってたから」
嘘、だけど。
本当の事は言えないから。
それ以上は言及しないで。
これ以上変に詰められてボロを出してもあほらしい。
「五条悟が知らない女とヤッてたからびっくりしただけ」
簡潔になんともないように振る舞って。