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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第18章 術式







――夏油side――




着替え終わったあと、五条悟を呼べば何も言わずにぐっと親指を立てた。
私はこくんと頷き野櫛薔薇へ連絡し待ち合わせ場所へと向かった。

待ち合わせ場所に着くと、野薔薇は知らない男3人組に囲まれていた。
ナンパか……。
野薔薇は黙ってればかわいいからな。

「悪い、待たせた」
「おっそいわよ、何してたの」
「着替えてた」

3人の男の間を割って入り、野薔薇に声をかける。
まるでそこにそいつらがいないかのように振る舞う私達に、野郎どもは見るからに機嫌が悪くなる。
できるだけ穏便に済ませたいんだけど、どうしたものか。
精一杯考えた結果。

「悪いね、お兄さんたち。実は私達付き合ってんだよね」
「は……?」
「だからデートの邪魔、しないでよ」

野薔薇の指に自分の指を絡め、そして野薔薇の手の甲に唇を寄せる。
ちゅっとリップ音を立てながら、唇を離せば男たちは頬を赤くしている。

「久しぶりのデートなんだ。独り占め、させてくれないかな?」
「あ、いや……それは、悪かった……」
「分かってくれたならいいよ。今度はナンパ成功するといいね」
「行くぞ」
「お、おう……」
「あの……生きづらい世の中だと思うんすけど、応援するッス」
「どーもー」

去っていく男どもに手を振りながらその背中を見送った。
これで撃退できて良かったけど、巻き込んじまったな。

「ごめん野薔薇。勝手な真似して」

手の甲とは言え、同性同士のキスはあまりいい気分ではないだろう。
しかもお互いにそういう嗜好をしていないのだからなおさら。





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