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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第18章 術式







白い生地のTシャツの真ん中にはサメの絵が描かれており、そのサメの両脇からムキムキの腕が生え、「にゃー」と鳴いている柄。
とてつもなく可愛いと思った。
可愛いと言うか、店に置いてあった時、思わず突っ込んでしまった。
運命だと思った。
だって布切れに突っ込んでしまったのだから。
買うしかないって思った。
そしたら愛着が湧いて、このサメが可愛く見えてきたんだ。

「そう言えば、確かにの部屋着はダサいのしかなかったイメージあるかも」
「ダサい言うな……」
「ブルースリーのTシャツを箪笥の中で見た時は、見間違いかと思って二度見したもんね、僕」
「ブルースリーいいじゃん。かっこいいじゃん」
「かっこいいけど、着ようとは思わんでしょ」

稽古で身体的ダメージをくらってHPが減っていると言うのに、ここに来て精神的ダメージまで食らうとは。
若干涙目になりながら、私はゆっくりと立ち上がる。

カバンの中にあった着替えを取り出し、五条悟に見せると腹を抱えて床に倒れ込んだ。
爆死してんじゃん。

「ちょ……、これで買い物行こうとしてたの……?」
「買い物行こうとしてたわけじゃないけど、着替えこれしかないから……」
「待って。それでも待って。これで高専まで帰ろうとしてたの?さすがの僕もびっくりだよ。初めてに敗北したかもしれない」
「……それはどういう意味だ」

私の服を見るたびに「うぐぅ……」とうめき声をあげる五条悟。
流石にムカついて、私はカバンの奥底に服をしまった。
大ダメージを負った男は、ゆっくりと立ち上がり私の私を憐れむような目で見やがった。

「僕も、買い物、付き合っていい?に似合う服、買ってあげるから……」
「いらない。この前買ったし」
「どうせダサいんだから甘えなよ」
「ダサくねえわ!!野薔薇だってかわいいって言ってたもん」
「それは、お前の事を気遣ってだよ……」

そこまで言わなくてもいいだろ。
泣くぞ、しまいには。





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