第18章 術式
結果。
私の完全敗北。
畳の上に寝転がり全身で息を吸った。
「いつもよりすごい粘ったね。そんなに僕について行って欲しくなかった?」
「……ていうか、普通に……、女子、だけで……って計画だったから……」
「あー、そういう。男は元から眼中になかったわけね」
「だからお前がどうこう、っていうわけじゃなくて……」
「なぁんだ。よかった。嫌われてるのかと思った」
五条悟は私に近づくとゆっくりとしゃがみ込み、私の額にへばりついている前髪をあげた。
息が上がって真っ赤になっている顔を見られたくなくて、顔を反らす。
その仕草に五条悟はくすりと笑った。
何がおかしい。
これでも私はすげえ頑張った。
「じゃあさ。悠仁や恵も誘おうよ。親睦会って意味で」
「……話聞いてた?女子だけで行くって……」
「僕も行くんだから今更じゃない?」
そう言うと五条悟はスマホを取り出し誰かに電話を掛けた。
「あ、もしもし?僕だよー、GLGの五条悟でぇーす」
≪……!!≫
「明日の旅行だけどさ、僕も同行するから」
≪……!!≫
「が僕に負けたからだよ。文句ならに言って」
≪……!!≫
「でさ、悠仁や恵とかも誘ってみんなで行こうよ。費用は全部僕が出すから」
≪……………≫
「うん、ほんとほんと。なんならスイートルーム予約するし」
≪………………≫
「交渉成立だね。悠仁たちには僕から連絡しようか?あ、そう?じゃあお願いねー」
電話口から聞こえてきた女性の怒声が、徐々に小さくなり終いには交渉が成立してしまった。
「真希に電話したらオッケーだって」
「金で解決させただけじゃねえか」
「学生はタダに弱いからね」
これだから金持ちは。
「つか、任務はいいのかよ」
「え?他の術師に回すに決まってんじゃーん」
「クズが」
「誉め言葉?」
「どこがだよ‼」
どう変換したら今の言葉が誉め言葉だって解釈できるんだよ。
脳内編集下手くそか。