第17章 じゅじゅさんぽ【Vol.4】
五条悟は5万の寿司は5万円するけど、牛丼は5万の価値があるのに400円で食べれると主張し始めた。
そして差額は4万9千600円で、その分お得だとも。
「すごくない、これ?」
す、すごくないこれ…………?
何がすごいんだ。
だって400円払ってるんだぞ。
「本来は5万ね。その5万を400円で食べてる。得してるでしょ、4万9千600円」
「……えぇ、……あ、、、えぇ……?」
「考えてもごらんよ。牛丼食べた後に寿司を食べるとするでしょ。そうすると4万9千600円得してから行ってるわけだからタダなわけ」
どうしよう。
日本語が理解できない。
私ってこんなにバカだったかな。
「どういうこと?理解できない」
「見たまんまじゃん」
「見たまんまっ⁉」
どのくらい五条悟と寿司と牛丼、5万と400円について語ったかは分からない。
分からないけど、結論だけ先に述べよう思う。
あの後、私は五条悟と共にセーフハウスへと行きカレーを食べた。
しかも私が作った。
意味がわからないと思うけど、実際に起きた出来事である。
そして、今までの問答の結論もでた。
5万の寿司は400円の牛丼である。
ということで今回の勝負は幕を下ろした。
が、やはり何かが間違っている気もしなくもないが、たぶん何も間違っていないんだと思う。
「はおバカさんだね」
っていう言葉だけは何としてでも払拭したいと、そう強く心の中で誓った。
あと、五条悟が会合をサボったために、何故か伊地知さんが上から怒られていて、それをたまたま知ってしまった私は、お詫びの印に伊地知さんに胃に優しい飲み物と食べ物を献上したのだった。