第15章 交流
「無事だと思えば無事だ。安否を気にして心を乱されるんじゃない。それに、お前の仲間をお前自身が信じてやらなくてどうする。"自分の仲間はこのくらいじゃやられない"。そのくらいの気持ちで堂々としていろ」
「………どうしよう。意外とまとも過ぎて情報処理が追い付かない」
思ったよりもまともな事を言ってくるものだから、面をくらってしまった。
だけど、東堂のおかげでさっきよりも心は落ち着いた。
し、何より「大丈夫」って気持ちが強くなった。
両の手で両頬を叩き気合を入れる。
私の顔を見た虎杖が、白い歯を見せてつられて私も白い歯を見せて笑った。
特級の残穢を追おうとした時、少し離れた場所から爆音が聞こえてきた。
この呪力は……。
「伏黒だな」
「行こう!!」
川が流れている場所があったはず。
そこから伏黒の呪力を感じる。
「奇襲かけるぞ」
走りながら私たちは作戦を立てる。
ただその場に行っても攻撃を当てられなければ意味がない。
大切なのは最初の一撃。
「私が特級の気を引くから、お前ら二人は上空から攻撃を仕掛けろ」
「でもそれだとが……」
「信じてるから任せてんだ。それくらい理解しろ、虎杖」
「……わかった」
「美しい友情だな。いや、愛情か……」
「お前、ちょっと黙ってろ」
うっとりとした表情で東堂が私達二人を交互に見る。
やめろ、その気持ち悪い顔。
夢に出てくるだろうが。
なんでこんなにも緊張感が無いんだろう。
いっつもいっつも。
深いため息を吐きながら、私は伏黒の元へと向かう。
その間、虎杖と東堂は上空で攻撃を仕掛けるために別行動を取った。