第14章 明日
あの後、医務室に戻りベッドに潜ればすぐに深い眠りについた。
案の定次の日、私は熱を出していた。
医務室で寝ていると、ドアが控えめにノックされる。
入ってきたのは、七海だった。
「具合はどうですか?」
「見ての通り、ぴんぴんしてる」
「……嘘つきですね」
はぁ、とため息を吐く七海は近くにあった丸椅子に腰を下ろした。
何しに来たのかと思ったが、ちょうどいい。
聞きたいことがあった。
「私が気絶した後、何があった?」
「聞いてどうするんですか?」
「どうもしない。ただ、気になっただけ」
七海は一拍置いた後、静かに口を開いて教えてくれた。
継ぎ接ぎ野郎が領域展開をして七海を閉じ込めたこと。
死を覚悟したこと。
だけど、虎杖が継ぎ接ぎ野郎の領域を外から破壊したこと。
そのことにより、虎杖の中にいる宿儺の触れてはいけない逆鱗に触れてしまい、継ぎ接ぎ野郎の領域が閉じられたこと。
追い詰めはしたが逃げられたこと。
全部教えてくれた。
「……そう、か」
「君にも助けられました。ありがとうございます」
深く頭を下げる七海。
助けた、なんて。
そんな大層な物じゃない。
結果、私は肝心なところで役に立っていないのだから。