第14章 明日
大まかに言えば、神奈川県川崎市の映画館で高校生3人の遺体が見つかったと言う。
詳しい死因は、頭部変形による脳圧上昇、呼吸麻痺だと言う。
明らかに呪霊の仕業らしく、今その現場に虎杖と引率の呪術師が行っていると言う。
私必要なくないかと、思ったが虎杖をサポートしてほしいとのことらしい。
サポートも何も呪術師が……って思ったけど、たぶん五条悟なりに何か考えているのかもしれない。
いや、考えていないか。
経験を積めるなら積んどいたほうがいい。
≪僕はこれから海外に出張だけど、お土産は期待しないでね≫
「しねえわ」
≪それと何かあったら必ず連絡して報告すること。いいね≫
「はいはい、わかったよ」
≪僕に会えなくて寂しい思いしたら、いつでも電話してきていいか……≫
言い終わる前に電話を切った。
真面目な話をしてたと思ったらすぐこれだ。
盛大なため息を吐いて、虎杖にラインを送る。
既読はつかない。
とりあえず新田明に事件のあった映画館へ向かうように伝え、その間私は軽く眠りについた。
外はどんよりと暗く、今にも雨が降りそうだ。
傘、持ってきてないや。
そんなことを思いながら、重たくなった瞼を静かに閉じた。