第11章 試行
「それよりさ、。聞きたいことがあるんだけどいい?」
「なんだよ……」
一応これでも怪我人だから安静にさせてほしいのに、五条悟は関係ないと言わんばかりにずっと病室にいる。
と言っても、事件の事で何か聞きたいことがあるとするなら報告をしなくてはいけない。
出ていけ、なんて言えるはずもなく。
私は五条悟の質問を待っていた。
のに。
「は……?何してんだ、お前」
ベットに乗り上げ、寝ている私に五条悟はまたがった。
上半身を起こそうとする私の左肩を抑える五条悟。
すると、服の襟をぐっと引っ張った。
「これ、なに?」
「これって何って何が?」
「とぼけんなよ、首元のこれだよ」
五条悟の右手の親指が私の首筋を強く押した。
痛みで顔を歪める私は一体こいつが何を言っているのかがわからない。
「復讐に関しては僕は真面目にどうでもいいんだけど、これに関してはどうでもよくないわけ。説明して」
「お前が何を言ってるのかマジでわかんない。何。つか痛え」
五条悟の腕を掴んで少しでも痛みを和らげようとしたが、意味をなさず。
首元に何があるってんだよ。
別に首に怪我なんてしてないだろうが。
……………………あ。
「何その顔」
「………思い出した顔」
「じゃあ、説明できるね」
にこりと笑う五条悟。
今の今まで忘れてた。
あの呪詛師に首舐められたんだった。
舐められたと言うか吸われたと言うか。