第6章 じゅじゅさんぽ【Vol.1】
「死ぬなよ。死んだら、なんにもなんないよ」
「……生きていても、なんにもなんないのに?」
「そんな事ねえよ。だってオマエ、死んだら金ロー見れねえんだぞ」
「……は?」
「知ってるか。今日の金ロー、ラピ〇タなんだぞ」
「えっと……」
「死ぬなら、ラピ〇タ見てからの方がいいって。絶対後悔するもん」
「はは、なにその引き留め方。斬新すぎない?」
「バ〇スって呪文聞いてム〇カと一緒に死ねよ。そうしたらさ、向こうで自慢できっから」
「ふ、くくっ……。ははは!!ちょっと待って!!」
「なんで笑うんだよ。私は必死にオマエの自殺を止めてやろうとなぁ……」
死にたいなら死ねばいい。
なんて言ったけど、本心じゃない。
本心だったら私は初めからこいつに近づいていないし。
でも、心から笑えない世界で生きていくために、どうにかしてやりたかっただけ。
だと言うのに、コイツは私の必死の説得を笑いやがった。
心から笑えないって言ったくせに、笑ってんじゃん。
私の勝ちだな。
「そう、だね。そうか……。今日はラピ〇タかぁ」
「オマエ、ラピ〇タ好きか?」
「好きだけど、一番は猫の〇返し」
「マジかよ。それ次の金ローでやるぞ」
「え、本当?知らなかった」
「じゃあ、それ見てから死ねよ。そう言う風にしてったら、いつの間にかジジイになって老衰で死んでるから」
「あはは、その死に方最高だ」
目じりに溜まった涙を拭う男。
涙を流す程、笑ってくれた。
「ありがとう。少し、元気出た、かも」
「そうか、ならよかった」
「ツナマヨ!!すじこ~」