第17章 命を懸けて(秀吉編)
秀吉は、寒いからとさくらを厚着させ、馬の後ろに乗せた。
さくら「やっぱり高いな…」
秀吉「ん?」
さくら「初めて乗った時、馬の高さに驚いたんです。城の立派さも全てが新鮮でした」
秀吉「そうか…そうだよな。その気持ちは俺にも分かるぞ」
さくら「秀吉様の背中が大きくて、そこから香る匂いが私を包んでくれて…懐かしいです」
川べりにつくと、秀吉が馬を降り、さくらを抱きおろした。
秀吉「ここで会ったんだな。」
秀吉はさくらの肩を引き寄せた。
さくら「秀吉様 命を救ってくださってありがとうございます」
秀吉「もう礼はいらない。それ以上に尽くしてくれた」
さくら「あなたと一緒に未来を見届けたいです」
秀吉「あぁ…ずっとそばにいろ」
さくら「手を繋いでも良いですか?」
さくらが手を差し出すと、秀吉の大きくて温かい手を繋いでくれた。
秀吉「さくら…こっちを向いて」
さくらは顔を向けすッと目をつむった。
秀吉の優しい口づけがふってきて、全身が幸せで包まれた。
秀吉「愛している。俺が命をかけて、お前がずっと笑顔でいられる未来をつくる」
あの秋の夜に置いたはずの恋は、いつしか愛へと育っていた。