第18章 後日談(秀吉編)
きちんとけじめをつけると、秀吉は祝言をあげ、正室にさくらを迎えた。
「子に希望が持てない事は気にするな」と秀吉はさくらの不安を取り除いた。
家臣や仲間に祝われ、宴の席は大いに盛り上がり、二人の新たな門出を喜ぶ声が絶えなかった。
政宗からも豪華な祝いの品が沢山贈られてきた。
心から祝福してくれているのが伝わり、二人とも思わず笑顔が零れた。
***
その後、さくらはあおいの墓に花を手向け、報告にいった。
さくら「ねぇ、あおい…。あなたのこと、許されようとは思っていない。私は一生背負ってあなたの分も生きていくからね。」
毎年、あおいが亡くなった日にさくらは一人で墓参りをしていた。
事件から3年の月日が経ち、奇跡的にさくらは秀吉の子を授かった。
季節が巡り、さくらは難産の末男の子を出産した。
秀吉はその子を抱き上げ涙した。
秀吉「さくらが俺に、そしてこの国に新しい命をくれたんだな。俺たちの未来は、この子と共に続いていく。」
さくらは涙を流しながら笑い、秀吉の手をとった。
さくら「命って、本当に尊いものですね。これからは、あなたとこの子と共に、未来を築いていきます。」
さくらの中には、かつての苦しみはもうなかった。
そして新しい時代の風が、彼女たちを未来へと運んでいくのだった。
完