第17章 命を懸けて(秀吉編)
大名討伐に向け出陣する朝
光秀「ずいぶんとマシな顔になったな秀吉」
秀吉「どういう意味だ」
光秀「迷いのなくなった顔だ。安心したぞ」
さくら「明智さま、ご安心ください秀吉様は無敵です」
秀吉「よし、三成行くぞ」
三成「はっ」
さくら「どうぞご無事で」
秀吉「必ず帰るから、心配するな」
馬に乗って走り去る秀吉を見送り、さくらはぎゅっと秀吉の羽織を抱き締めた。
光秀「さくらよくやった。」
さくら「政宗様と、明智様のおかげです。」
光秀「それはそうと、政宗から文が届いていたぞ」
光秀は懐からすっと文を取り出した。
さくら「えっ??なぜ明智様がお持ちなんです?」
光秀「クックック(笑)今さくらが、政宗の方になびかれると困るからな。中は見ていないから案ずるな。」
さくら「ここまでくると、あなたを尊敬するしかありませんね。」
光秀「おや、怒らないのか?」
さくら「秀吉様が拗れたら戦に支障が出たかもしれませんからね。」
光秀「文は読まずに焼くか?」
さくら「とんでもない!他でもない政宗様に頂いた大事な文です。読みます。それに政宗様がしようとしていた事は明智様と同じな気がするので」
***
さくら
元気でやっているか?
お前は元気かもしれんが、
見送りの時の秀吉の顔が見てて痛々しかったな。
俺の勘だが、あいつはお前が好きだ。
きっとお前の前で恰好良くいたいと思ったんだな。
さくらも素直になっても良いと思うぞ。
俺から文をもらったと
秀吉に言ってみるのもいいかもしれない。
誰かがアイツに火をつけないとな…。
追伸
秀吉から良い返事が来なければ
奥州に来い。俺が慰めてやる
***
さくら「やっぱり…」
光秀「政宗も同じ考えだったか?」
さくら「えぇ…秀吉様があまりにも見送りの時の態度が酷かったので、私の事を好きなのだろうと、他にもいろいろと助言を。政宗様って本当に格好良いです」
光秀「政宗に惚れ直したか?」
さくら「ぃぃぇ…。秀吉様への気持ちは揺らぎません。」
さくらは政宗に返事を書き貰った文を燃やした。