第10章 宝物(政宗編)
政宗が土産の酒を準備しようとしていたので、さくらは意を決した。
さくら「政宗様!大事なお話がございます。」
政宗「何だ、さくら?」
さくらは震える声を抑えながら、続けた。
さくら「せっかくのお心遣いに感謝しますが、私は…今酒は飲めません。あなたの子を…授かりました。」
その瞬間、時が止まったかのような静寂が訪れた。火鉢の音が聞こえる。
政宗は驚いた表情を浮かべ、しばらく言葉を失った。
政宗「…本当か?」
さくらは強く頷いた。
さくら「はい、間違いありません。月のモノも来ておらず、最近体の変化も感じております。」
政宗が一歩ずつ近づいてきて、さくらの肩に両手を置いた。
政宗「さくらが俺の子を授かっているとは…なんて尊いんだ。こんな気持ちは初めてだ!」
政宗の顔に喜びが広がっていくのをさくらは見た。
さくら「ぅ、嬉しいですか?」
政宗はさくらを優しく抱きしめた。
政宗「当たり前だ!!!」