第10章 宝物(政宗編)
秀吉の力の入った顔がフッと緩んだ
秀吉「ははは、情けないよな。あんなに傍にいて気づかないなんて。さくらから告白されたよ」
政宗「な…。さっき城の前で見た時に二人の距離に違和感を感じたのだが…ちょっと見ない間にもしかして…」
秀吉「あぁ、さくらと俺は特別な仲だ。」
頭にカッと血が上って政宗は思わず秀吉の胸ぐらを掴んだ。
政宗「は?説明しろ秀吉」
今にも殴りかかりそうな政宗の様子に、むしろ秀吉は安心した。
秀吉「いや、すまん、嘘では無いが冗談だ。 落ち着け。お前もさくらに本気なんだな。良かったよ。」
着物の襟を直すと、膝をパンパンと払い立ち上がった。
政宗「俺は自分の感情に嘘はつかん。」
政宗はまだ気分を害している様子だった。
秀吉「ありがとう。さくらを頼む」
礼だけ告げると秀吉は部屋を去った。
政宗(なんだというのだ。全く意味がわからん)