第9章 告白(政宗編)
秀吉「さくら…ありがとう。本音を伝えてくれて。妹のように扱ってきたのは事実だが、化粧をしはじめたり、女らしさを感じてハッとするときはあったよ。いつも城の中でさくらの姿を探していた、会えない日が続くと心配で、無駄に用事をつくり呼び出した。妹のような存在だと誤魔化し気持ちに蓋をしていたのは俺の方かもしれないな…」
本音で向き合ってくれたさくらに、秀吉も本音で向き合った。
秀吉は少し険しい顔をしている
さくら「秀吉様…。あの日、私はあなたへの恋心を捨てました。私が伝えたかったのはあの日こうしておけば…という事ではありません。以前よりも、秀吉様は身近になり、存在は大きくなりました。私にとって、秀吉様は恋仲ではなくとも、それ以上に唯一無二で特別な存在なのです。」
寂しそうに笑った秀吉を見てさくらは秀吉の手を両手で握った。
さくら「秀吉様がお館様を想うように、私もまた秀吉様を想っております。あなたに恋をしている時は、まさかお茶を飲みながら本音で語り合う日が来るなんて…思ってもみませんでした。あの日死ななくて良かった。こうしてあなたのそばにいれる事を心から思っています。私は、秀吉様とあなたの大切な人をお支えしていく覚悟であります。この気持ちに嘘偽りはありません。」