第6章 秋の夜に置いた恋【R18】
政宗「寝れないなら、添い寝してやろうか?」
さくらは咄嗟のこと過ぎて反応も出来なかった。
政宗は心配して和ませてくれたのだろう。
さくらも嫌な気持ちではなかったし、むしろ余計な気を遣わせてしまったと反省した。
すると、あたふたしながら政宗様が謝って来た。
政宗「あぁごめん。お前は男嫌いなんだよな。今のは和ましてやろうと思って俺なりに気を遣ったんだが悪かった。配慮が足り…」
と言いかけたタイミングで、政宗を制した。
政宗の前に座り直し、床に両手をつき頭を下げた。
さくら(こんなことを一晩中考えていたら、心が壊れてしまう)
さくら「一晩添い寝をお願いしてもよろしいでしょうか?」
政宗「はぁ(溜息)だから冗談だって。」
盛大にため息をつかれてしまった。
さくら「政宗様、こちらは冗談ではございません。添い寝ではなく、むしろ抱いて頂けませんか?温もりがなければ壊れてしまいそうです。私は男性は苦手で、他でもない政宗様にしかお願い出来ませぬ。」
政宗「俺が秀吉に怒られるだろうが…。厄介な女だな」
秀吉という名前を聞いただけで、目に熱いものがこみ上げてきたが歯を食いしばった。
だが、もう引けない。少し煽ってみた。
さくら「政宗様は目の前に困っている女がいたら助けると・・・先ほどおっしゃいました。こんな誘いを女からさせて辱めるのがお好きなのですか?」
政宗がもう一度盛大に溜息をついた。
政宗「ハぁ……。女から誘わせるなんて悪かったな。」
そしてさくらの頭を撫でると、そのまま頬に手を当て、流れるように顎を指で持ち上げた。
政宗「さくらご褒美だ。抱いてやる。今日の無礼は全て許してやる。」
そのまま口づけされるかと思いきや、さくらが羽織っていた秀吉の羽織を脱がすと、ふわりと政宗が羽織った。
さくら(何をして…?っ?!?)
とその様子に目を奪われていたが、さくらは一瞬で理解した。
同時に政宗の懐の深さに胸がぎゅーーーとなった。
さくら(政宗様…)
政宗「-その恋、ここに置いていけ」