第4章 長い一日
☆あおい視点☆
あおい「は?暇を出すとは?どういうことでしょうか?」
光秀の家臣は冷静に告げた。
家臣「だから荷物をまとめて出ていけ、ということだ。光秀様の温情だ。意味は分かるだろう。」
あおいは心の中で激しい動揺を抑えきれなかった。
どこから漏れたんだ。
秀吉への復讐計画は、ついに大詰めを迎え、計画日まで決めていたというのに。
―ここで終わるわけにはいかない。やっとここまで来たのだ、秀吉の首を取り、、旦那の仇を討つその瞬間を夢見て、毎日を耐えてきたのに。
しかし、明智様にばれている。
家臣の言葉が脳裏に響いた。「せめてもの温情」とは、命を奪わないだけありがたく思えという意味か。
命などとうに捨てているというのに、舐められたものだ。
屈辱すぎて、思わず舌打ちが漏れた。
だが、明智様が城に戻ってくれば秀吉を討つ機会はない。
このまま城を出ても、二度と叶わない。
荷物をまとめ出て行くフリをして身を潜め、秀吉を刺すしかない。もう今日しかない。
胸の中に、さくらの顔がふと浮かんだ。
それでも、もう引けない。私の生きる理由はこれしかないんだから。