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秋の夜に置いてきた恋【イケメン戦国】

第4章 長い一日


さくら「ここは…?」

はっと体を起こしたが、すぐに頭がズキズキ痛むのを感じた。
寝不足がたたっているのだろう。昔から体だけは頑丈だったはずだが、ここ最近は気が張り詰めていた。

さくら「秀吉様…」その名前が自然と口をついて出た。


秀吉の身に何か起こるのではないかと、不安がさくらの胸を締めつける。今日かもしれない、明日かもしれない、もしかするとただの杞憂かもしれない。


あおいが、たった今、軍議の中に刺しに行くなんてことも…?

いやいや、武将たちがそろいもそろって、女一人に。


バカバカしい。

さくらの中に悲観的な妄想が膨らむが、冷静な思考では無いことはさくら自身もわかっていた。

さくらは布団から、ふらつきながら重い体を起こした。


しかし、なんとここは政宗様の部屋ではないか。

さくらは記憶を辿り、政宗の前で倒れ、その手で運ばれたことを思い出した。
無理をしすぎたせいで、彼の手を煩わせてしまったのだ。

「恐れ多い…」さくらは小さく呟きながら、襖に寄りかかって体を起こした。

その時、廊下の向こうから足音が聞こえ、視線を上げると、秀吉様が走ってこちらに向かってきた。

「さくら、大丈夫か!」秀吉様は息を切らしながらも、心配そうな表情を浮かべていた。


さくらは目を見開いたがその後脱力し白目を剥いて倒れた。


秀吉が、「おっと」と体を支え、さくらをゆっくりと寝かした


秀吉「なんでこんな無理したんだ…」


大好きな人の声が頭の中で低く響いた。
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