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秋の夜に置いてきた恋【イケメン戦国】

第4章 長い一日


☆政宗視点☆


光秀と話したあと、ふとさくらの姿を思い起こした。
彼女に対して特別な感情があるわけではないが、秀吉を守ろうと昼夜気を張り詰めて、ふらふらになっている様子が気にかかっていた。


律儀な女だと彼は心の中で呟いた。



その朝も朝餉の準備をしていたところ、さくらがやってきた。顔色は悪く、明らかに体調が優れない様子だった。


政宗「おい、体調が悪そうだから、まだ寝ておけ。ここは俺がいるんだから大丈夫だ」と声をかけた。


しかし、さくらはそれを軽く受け流し、「政宗様こそ、大事なお体ですので休めてください。仕込みは女中の仕事です」と静かに返した。彼女は責任感からか、疲れた表情を隠して無理に振るまっているようだった。


しかし、言い終えた瞬間、さくらの体が力なく崩れ、目の前で倒れてしまった。政宗は驚き、すぐに彼女の額に手を当てる。酷い熱だ。


「まったく、無理しすぎだ」と呟きながら、さくらをふわりと抱え上げ、自分の部屋の部屋へと運んだ。女中たちの部屋に連れて行こうかとも考えたが、例のあおいが気になった。


何を企んでいるのかはまだわからないが、今のさくらをその近くに置くのは危険だと判断した。


「ここならさすがに襲われることもないだろう。寝ておけ」と、自室に運び、政宗は布団をかけ、さくらをそっと休ませた。

光秀は今日は別件で城を開けている様子だった。

軍議も休むと言っていたから、俺が注意しておくしかないかと政宗は心の中で決意した。

小娘一人の謀など、秀吉からしたら、大した問題ではないだろうが、あいつは優しいから油断したら危ないな。


眉を寄せ、真っ青な顔をして唸りながら横たわるさくらを見下ろし、あまりに不憫になり、髪を撫でてやった。



さくら「すぅ・・・むにゃぁ」



ぷっっ

急におとなしくなりすっと寝たので拍子抜けした。

起きたら、そんなにお前が心配しなくて良いんだとさくらに言ってやろうと思った。
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