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人魚姫 【文スト/中原中也】

第2章 運命の再会。


「ここでいいのか?」

タケル「うん!中也ありがと!」

「だから中也"さん"なっ!!」

あれから中原さんは施設まで私たちを送ってくれたのだ。


その間、私はずっとドキドキしていた。

まさか再会するなんて、、、、。

私は彼のことを知っている、一目見て判った。

中原さんがあの時の彼だと、、、。

元気で安心した。



あの場所は両親のお気に入りの場所だった。

本当は毎年命日に行っていたのだが、その年だけはどうしても行けなかったので、翌日に行った。


その時彼を見つけたのだ。


崖の下でうずくまっている彼を放っておけなかった。

近づくとお腹から出血をしていた、それに苦しそうだった。

助けてあげたい、、、。

勝手に身体が動いていた。

異能力が効いたのか、彼の顔色も良くなったことを確認しその場を立ち去ろうとしたが手を掴まれた。

力が強く、振り解けなかった。
私の存在を知られるわけにはいかなかった。
だから私は使ってはいけなかったが使ってしまったのだ。


異能力(セイレーン)を、、、、、。


そして私は声を失った。




私には2つの異能力がある。
1つは"セイレーン"、、、歌声を聞いたものを操れる能力。
謂わば、洗脳。

この異能力は使うごとに自身のなにかを差し出さなければならないという条件があるのだ。

そして私は声を差し出した。
そうすれば異能力を使わなくて済むからだ。


だから後悔は全くなかった。



もう1つは"セイレーンの口付け"だ。
生きているものに口付けをすれば怪我などを治せる治癒能力。



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