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人魚姫 【文スト/中原中也】

第5章 初めてのデェト


の家の前に到着したのは約束した時間の15分前。

結局昨日は緊張しすぎて全く眠れなかった。

車で大人しく待っていても、ソワソワするだけだ。

煙草を吸うため、外へ出た。

任務とかではあったが、デェト自体は初めてだ。

だから下調べも完璧、初めてだと悟られないようにしねぇと。


そんなことを考えていた時だ。

ガチャっと扉が開く音がした。

音がする方を見ると、咥えていた煙草を落っことした。

何故か?

それは、、、、

「可愛すぎんだろ、、、、。」

いつも可愛いが、今日は一段と可愛かった。
白色のワンピースが彼女の色の白さを更に強調させ、いつも下ろしている髪は、ポニーテールにされていた。


普段と違う彼女にドキドキした。

俺に気付いて慌てて階段から降りてくるの元へ向かい、手を差し伸べると、少し顔を赤らめ手を重ねてきたの手を握り締めた。


俺よりも小さな手。
好きな女相手だと手繋ぐだけでこんなにドキドキすんのか、、、?


を車へとエスコートし、助手席へ座らせた。

「すげぇ似合ってる。」

最近覚えた手話で彼女に伝えると、嬉しそうな表情になった。

"ありがとう、中也くんもすごく似合ってる!"

「ありがとよ、じゃあ行くか!」

"お願いします!"


俺はアクセルを踏んだ。



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