第4章 忍び寄る魔の手
「選択は任せるだと?手前がそれを云う時はなぁ、何時だって選択肢なんてねぇんだよ。」
手袋に手をかけた時だった。
「?」
不安な顔をするがいた。
なんとなく彼女の云いたいことが判った。
「大丈夫だ、待っててくれ。」
首を横に振る。
「俺があの野郎倒したら、来週デェトしてくれねぇか?」
予想外の言葉だったのかは目をぱちくりとさせた。
「俺は約束は絶対に守る。」
は携帯に文字を打ち出した。
"絶対に帰ってきてくれる?"
「ああ。」
"水族館行ってみたい。"
「判った、危ねぇから手前は下がってろ。」
は頷き、太宰の元へと向かった。
その姿を確認し、俺は再び手袋に手をかけた。
「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ。更めてわれを目覚ますことなかれ。」
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突然中也くんの様子が変わった。
『ッ、、、、、。』
ジョン「なんだ?あれは、、、」
太宰「知りたいかい?組合の働き蟻くん。あれが中也の異能の本当の姿だよ。」
"あれが中也くんの異能力、、、"
思わず息を呑んだ。
太宰「中也の汚濁形態は周囲の重力子を操る。圧縮した重力子弾はあらゆるものを呑み込む暗黒空間(ブラックホール)だ。但し本人は力を制御できず、力を使い果たして死ぬまで暴れ続けるけどね。」
そんな、、、、。
まさかそんな危険だったとは、、、。
私は彼の無事を祈ることしか出来なかった。
太宰「拙いな、中也の身体が保たない。」
ジョン「生憎だね。ああなったラヴクラフトを外部から破壊する手段なんて存在しない。」
太宰「外部から?つまり、内部からの攻撃は効く訳だ。」
ジョン「くっ、、、!」
太宰「フッ。」
太宰さんはポケットからスイッチを取り出し、ボタンを押した。
次の瞬間あの怪物から爆発音がした。
太宰「やっちまえ、中也。」
「おりゃぁあああ!」