第13章 人魚姫
ザバァーン
此処はポオさんの小説世界。
あの日、乱歩さんに渡されたのは本だった。
もしかしたら乱歩さんはこうなる事を予想していたのかもしれない。
何故なら、小説世界は私の思い出の場所だったから、、、。
家族との思い出、そして中也くんと初めて出逢った場所だからだ。
静かで穏やかに過ごしていた。
皆んなが無事であることを祈りながら、、、。
ここへ来て数日が経った。
いつもように海を眺めに来ていた時だ。
??「やぁ。元気そうだね!」
声の主は、、、
『太宰くん、、、』
太宰「ふふ、此処はいいねぇ。とても落ち着く。」
『社長は、、、?』
太宰「無事だよ。勿論、森さんもね。皆無事だよ。」
太宰くんの言葉に安堵した。
『善かった、、、。太宰くんにはやっぱり効かなかったのね』
太宰「驚いたよ、誰も君のことを覚えていなかったからね、、、。」
太宰のみが、のことを覚えていた。
彼は異能力を無効化することができるからだろう。
『如何してここが?』
太宰「一冊の本が探偵社に届けられていてねぇ。」
『え、、、?誰が、、、?』
太宰「さぁね、、、。それは判らない。でもタイトルを見てすぐ君がいると判ったよ。」
『タイトル、、、?』
太宰「"人魚姫"君にピッタリだろう?」