第3章 跳梁跋扈
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しばらく歩くと、この前出会った正臣の友達を見かけた。
なにやらあきれた様子で、その視線の先にはナンパに勤しむ正臣の姿が見えた。
歩き出した二人について行くかのように、臨也もその道を進む。その間も、正臣は女の人を見つけては声をかけていた。
相変わらずだとは思う。
急に二人は何かを見つけたのか、なにやら立ち止まり壁に隠れて暗い路地を覗き始めた。私は不思議に思い、二人に声をかけようとしたが、私より先に臨也が何やら良くない空気をまとって口を開いた。
「いじめ?止めさせに行くつもりなんだ。」
「あ、あの…え?え?」
帝人の肩を抱くようにしてその路地へ進む臨也。三人の女子高生が一人の男と一緒になって、同じく一人の眼鏡をかけた可愛い女子高生をいじめている現場は、どう見ても、レトロないじめの現場である。
臨也が何をするのか私には予想が付かないので、後を追いかけようとすると正臣に腕を掴まれた。
「行っちゃダメです。」
ホントはその言葉だけじゃなかったと思う。正臣の目は必死だった。だけど、私は小さく微笑むとその手を振りほどきかけ足になった。