第3章 跳梁跋扈
いきなりそう聞かれて私は臨也を見つめた。臨也からそんなことを聴かれた時は、まぁ九割それに関する人物に会いに行くのだろうけど。
ダラーズ。
無色透明のカラーギャング。誰もトップを見たことがない。私も臨也もダラーズの一員である。
ダラーズについて知っているのは、臨也はトップではないこと。それは私が一番よく知っている。
「…どこかのグループの付属で、他のグループのトップとか、もしかしたら、何でもない人。」
「君の答えはいつも変な方向に曲がっているか、俺の予想を見透かしたようだね。」
「どうも。」
「褒めてないよ。むしろ、そこが嫌いだよ。でも、いい線行ってるね。マリアの言った通り、膨大な人間が加盟して、昨今勢力を伸ばしているダラーズの誰も知らぬトップがただの何でもない人間だったら、面白いと思わない?…しかも、それが実は俺たちの周りの人間が知っていて、ただの学生とか、ね。」
私はそれで誰か分かってしまったようで、そして、何をしに行くかも分かってしまったような気がした。あくまで予想に過ぎないが。
臨也は横目で私に視線を下ろすと、意地悪く笑った。
「君のそう言うとこが気に入ってるのさ。」