第2章 一虚一実
臨也はそこでいったん言葉を切ると、マリアを振り返った。
「それを送ったのは、臨也?」
「さぁ?」
そして続きを語る。
『何が入ってたんですか?』
『写真です。父が浮気をしてたみたいで…女の人といるところの。あと手紙。こんなことが許されるのか、みたいな。送ってきたのは女の人の関係者みたいでした。』
『お父さんもひどいけど、その人もひどいですね。』
『私、どうしたらいいのか分からなくてとりあえずそれを隠しておくことにしました。その日から、なんだかいつもの風景がとても気持ちの悪いものになってしまって…』
『つらかったでしょう…』
『我慢できたのも半年くらいです。いっそ全部明らかになった方が楽だと思って…』
『言いづらいことなら無理しなくてもいいですよ。僕もなかなか話せないことありますし。』