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河川敷の長靴

第1章 目の前の友人は、怖い話を始めた。


タイキくんは橋の下まで引きずられて、連れて行かれてさ。


「殺されたくなければ、おとなしくしろ」


男に脅された。

死にたくないよね。
自分の力では敵わない相手だもん。
おとなしく従うしかないよね。

タイキくんは泣きながら謝ったの。


「ごめんなさい。ころさないでください」


って。
何度も何度も。

男は、タイキくんにヒドイことをしたの。
え?ヒドイことの内容?

うーん……
聞かないほうが良いよ。
気分が悪くなるから。
……。
……どうしても知りたい?
そっか。
タイキくんはね、幽霊と同じことをされちゃったんだって。
……うん、そう。
両足、切断されちゃった。
何度も何度も何度も何度も、刃物を振り降ろされたみたい。
断面がガタガタだったって。
タイキくんは、気絶しても、痛みでまた意識が戻るっていうのを繰り返していたの。
それだけじゃない。
凌辱されたし、その時に肛門とか内臓の一部が破けちゃったって。

タイキくんは、涙も枯れて、声も出なくなって、暑いのか寒いのかもわからなくなっちゃったの。


「な、何をしているんだ!?」


タイキくんがまた意識を手放そうとしたとき、そんな声が聞こえたんだって。

なんかね、「両足の無い女の子が河川敷で這っているのが見えた」って通報があって、警察と救急車が駆けつけたらしいよ。
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