第8章 だいじょーぶだよ。
「廻の“かいぶつ”サッカーに、私…すっかり魅せられたよ。
それを早く伝えたくて、走って廻を探してた。」
蜂楽の手をギュッと握る。
蜂楽のイマジネーションから生まれたその“かいぶつ”は…
こんなにも私をサッカーの魅力に引き込んだんだよ。
これからもどうか、今のままの蜂楽でいてね。
綺麗で純真な心を持った蜂楽なら、
絶対に“ともだち”できるって私、信じてるから。
だいじょーぶだよ。
「サッカーしてる時の廻は、自由で素敵だよ。すっごくすっごく、かっこいい。
好きになっちゃうくらいに。」
寄り添いあってた頭を離して……
蜂楽の唇に向かって近付く。
もう、このまま……
蜂楽と私、ふたりでひとつになりたい。
私は静かに、蜂楽に口付けた。
髪の毛先から、雨粒がポタポタと垂れてくる。
冷たい雨に全身濡らされたはずなのに、体は熱い。
何秒も何秒も、動かず静かに、唇を当てて……
どっちが先に息が苦しくなるか、
がまんくらべしよっか。
「……はぁっ」
「……は」
今回は、おあいこだったね。