第8章 だいじょーぶだよ。
蜂楽の髪に顔を近付けると、汗に混じったシャンプーのいいにおいがする。
後ろ首に手を巻きつけると、しっかりと筋肉がついていた。
細身だから本当に忘れてしまいそうになるけど、こうやってくっつくと結構がっしりしてる。
斜め上から蜂楽を見ると、身長差で普段見えない前髪のインナーカラーがチラッと見えて可愛い。
少し前髪をかき上げて、黄色の生え際にキスした。
蜂楽のにおいがして…私の方が癒されちゃう。
「だいじょーぶだよ…だいじょーぶだよ…。」
蜂楽が私によく言ってくれる、魔法の言葉。
今朝だって私を何度も救った、特別な魔法だ。
唱えながら襟足の癖っ毛を撫でたら、蜂楽は私の胸に顔を寄せてきた。
思いっきり胸に顔埋められたけど、今は蜂楽を落ち着かせてあげたいよ。
大丈夫、大丈夫、だい……
「夢ちゃんのおっぱいやらか〜しやわせだにゃ〜♡
でもシャツ、ビッチョビチョで顔濡れた〜。」
「どういう心情変化!!??」
私の胸に顔を埋めて、すりすりと動かす蜂楽。
重度のセクハラに、反射的に離れてしまった。