第7章 自由の才能
「……知ら、ない。」
「はりゃ、夢ちゃん?だいじょーぶ?」
落ち着け、落ち着け……冷静になれ。
また過呼吸になったら、蜂楽に迷惑がかかる。
“あの人”とは、廊下ですれ違うことだってある。
生徒会長の私は、人前にだってよく出る。
心配しなくていい。
今は蜂楽がそばに……いてくれてるでしょ?
「もしかして夢ちゃん。女の子の日すか?」
「……へ?」
セクハラ発言で沈黙を破り、私の精神内に土足で踏み入ってくる。
ホントに……蜂楽には敵わない。
「お腹痛い?胸張ってる?イライラしてる?
あ、もしかして♡ムラムラしてる?」
お陰で緊張の糸が切れた。
心は整いつつあるけど、セクハラはエスカレートする。
「そーゆーことを大っぴらに聞くなっ!!ちなみに全部当てはまってない!!」
「えへ♪最近俺、勉強してるんだ。夢ちゃんのコト理解するために!」
そう言われちゃうと、毎月やってくる女子の大変さを男子も理解ってくれれば嬉しい時代ではある。
「それはありがたいけど。なーんか廻に言われると、下心を感じるなぁ。」
「マジメに保体で勉強したのにぃ。ちゃんと授業中、起きてたんだぜっ♪」
「……ムラムラは教科書に書いてないでしょ。」