第6章 たのしいひるやすみ【蜂楽視点】
「ふたりとも、喧嘩はやめて。」
「……夢ちゃん。」
「廻、紹介するね。副会長の蝶野(ちょうの)くん。生徒会で私の補佐してくれてる。」
なんだ……ただの部下風情が。
“廻”って呼ばれたから、彼氏モードで承知♪
「蜜浦先輩。アレ、事実ですか?」
「アレ、って?」
「そっか先輩、SNSやってないんでしたっけ。」
部下メガネは、スマホを俺達に見せてきた。
「蜜浦先輩と蜂楽(コイツ)が付き合ってるって…
デート中の画像と、中傷文があがってるんです。」
画像は、原宿にいる俺と夢ちゃんだった。
俺が夢ちゃんにクレープあーんしてるのと、
俺が夢ちゃんの髪触ってるの。
つかちょっぴり欲しいし、この写真。
「えっ…!誰が…!?」
「判りません。裏アカみたいで。でも、普通に考えてウチの学校の生徒か先生でしょうね。」
夢ちゃんは誰かに尾けられてるって言ってた。
俺と帰るようになってから、気配を感じなくなったとは言ってたけど。
ちゃんと周りへのアピールにはなってるみたい。
もしこれの投稿者が、そのストーカーだとしたら……
「蜂楽(コイツ)は、蜜浦先輩には釣り合いません。
サッカー部では協調性ゼロで悪評高いですし、
授業中は寝てばかり、クラスで浮いた問題児です。」
───もしコイツが……
ストーカーだとしたら───?