第39章 番外編Ⅲ エゴイスト日和 ✢
視界が揺れる度に、胸元の“お月様”も揺れる。
でもこの“束縛の糸”は、ふたりが遠い世界にいても
永遠に揺るがない───。
「ーーっっ、い゛!?ああぁぁっ♡めぐるうぅ…♡」
「夢っ…ナカ、出すね…っ!ぅあ゛っ…♡」
数え切れない程、オーガズムに達した。
フワフワ宙に浮いた感じで、意識があるのかどうかも判らなくなった。
初めて最後までセックスできたあの日みたいに……
激しく求め合って交わった、熱い時間だった。
事後、ゆったりキスハグタイムで後戯を終える。
全裸でムクリと起き上がって、廻は電気を点けた。
「俺の絵、もう色塗り始めたんだ♪」
私のキャンバスに近寄って言う“BON!”顔の本人。
「うん、昨日から。明日までに完成は無理だね。
もっと早く始めれば良かった。」
「そんじゃ、今度帰ってくる時だね。楽ちみぃ!」
「“青い監獄”行く前に風邪ひいちゃうよ。」
私も続けて立ち上がり上着を羽織って、逞しい裸にもシャツを掛けた。
“この絵は今の私が‘FLOW’になれるコト。
廻の‘FLOW’を……キャンバスに再現するコト。”
数日前、廻がアトリエに来た時にこう伝えた。
“やるね♪”って言って、ニヤリと笑ってた。
「俺と、俺のサッカーを愛してくれてありがと。」
「うん。」
「俺の側にいつもいてくれて、ありがと。」
自身の足首に結ばれたものをチラッと見る廻。
私もね、もう怖くないよ……?
あなたとの“愛の証”を……たくさん持ってる。