第39章 番外編Ⅲ エゴイスト日和 ✢
「ーーっっ!?ぁ、はぅ゛…♡」
小さな声を漏らした廻を見上げる。
欲望を吐き出す気満々だったその顔は、悩ましく歪んで真っ赤っ赤。
「射精管理、されたいんでしょ?」
パンパンで破裂しそうな男根を無理やり服に押し込みながら、上目遣いをした。
スマホも使えないのに“青い監獄”にいる間の管理だってしたくなっちゃう程……
初めて覚えた、支配の快感。
「帰ろ?」
「あ゛…夢っ…♡」
雄味が増した廻を、あえて私が攻め潰す。
今夜は私が廻を、めちゃくちゃに抱いてあげる───。
「ん…ココでしたい…♡はぁっ、夢っ…!」
歩いて家へ帰る道中、二の腕を強く掴まれて、
こうやって何度も激しいキスを仕掛けられる。
「ダーメ。この辺りは“K.K.”の常連さん住んでるから。」
「んならぁ…ラブホ、いっちゃお…?」
「ダーメ。お金足りるかわかんない。我慢しなさい。」
「ダメダメばっかじゃーん…。寸止めなんて、どこで覚えてきたのぉ…?」
猫撫で声を出して、不発に終わった股間の熱を私のお腹や腰に擦り付ける。
「も、俺っ…がまん、できないっ…♡」
「射精管理ってこーゆーコトでしょ?“青い監獄”でどう処理してたか聞かせて?」
「っ、トイレで抜いてた。夢精、したくないしっ…。でもっ、みんなしてたよ…?」
「へぇ?明日からまたオナニー性活だ。かわいそ。」
「ホントは夢とエッチしたいよ…♡オカズなんかじゃなくて…。
はあぁ…スリスリだけで、擦れてっ、出ちゃいそぉ…♡」
ひとけが無い夜道で、濃密に絡み合う。
家までもう少しだけど、イチャつきながら遅い歩みでダラダラ進む。