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【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第39章 番外編Ⅲ エゴイスト日和 ✢





「せっかく応援してくれてるんだから、廻だけで撮ってあげて?あの私、シャッター押しますから!」


「でも私達、デートの邪魔しちゃってるし…!」


「全然いいんです!あ、その噴水前なんかどうですか?どうぞどうぞ、並んで!」


「なら…お言葉に甘えて。彼女さん良い人ですね!」




ホント、こんなことして何が楽しいのか。




「蜂楽くーん!サッカー頑張ってねー♡」


「うん!応援よろー♪」


2、3分程度話せば敬語は消え、初対面の人であろうと打ち解けるこのコミュ力。




解ってるのに。


ファンの人に悪気がないことも


廻に、変な気がないことも───。






「どーしたのー?浮かない顔してる。」


「んっ」



食べ歩きスイーツにトッピングされたイチゴを、
不意打ちで唇に押し付けられる。





「……ちょっと。口紅取れちゃうじゃん。」


「夢はメイクなんかしなくても、そのままで十分キレイだよ♪」


「廻とのデートで頑張ってオシャレするのは悪いこと?」


「なに怒ってんのさ?」


「怒ってないし。」




ポーチから出した口紅で、仏頂面の唇を色付ける。

鏡の中に急に廻が入り込んで口紅を塗る顔を真似してくるもんだから、恥ずかしくて嫌になる。




「もうっ…!やめてって!」


「かわいーんだもーん♡」




色々な感情が交錯して、心がざわつく。



私の複雑な気持ちなんて想像だにしないあなたは

“久しぶりの間接キスー♪”って言いながらさっきのイチゴをパクリ。


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