第39章 番外編Ⅲ エゴイスト日和 ✢
“渋谷でボウリングしてたら、ブルーロックのイケメン達と一緒になっちゃった!
こないだの試合もヤバかったし、近くで見ると皆かっこいい!!私、ファンになっちゃった♡”
“一緒になった”……って。
投稿者であろう女の子数人と“青い監獄”メンバーの画像付き。
それには、笑顔の恋人も写ってた。
廻に紹介されたオトヤくん…だったかな。
あと、U-20の閃堂選手。
ガチめに女の子に寄って写る人もいれば、たまたまカメラに入り込んだ感な照れ顔の潔くんもいたけど。
私の彼氏は割と乗り気に、前方でピースサイン。
「(なんだろコレ……)」
また……モヤッとする───。
「廻、おかえり。ご飯食べてきたんだよね?」
「たっだいまー!うん、食べてきたよ!夢の言う通りすっげー楽しかった♪」
帰宅した廻は、上機嫌だった。
ご飯に行ったの、男子だけ…なんだよね…?
こんなことで、モヤモヤしちゃうのが嫌なのに……
でもそれが、現実だ。
もっともっと上に行って、世界一のストライカーになったら……
きっとこんなの取るに足らない、日常の一コマだ。
「ねぇ、夢。」
「なぁに?」
「なんか怒ってる?」
こういう時、突かれたくないトコを突くのがあなた。
怒ってるんじゃない。
それに廻に怒ったって……この気持ちは消えない。
絶対……違う。
「気のせいだよ。“かいぶつ”ドリブラーさん。」
「にゃっは!いいね、その二つ名♪」
ケタケタ笑いながら私の背後に寄って来た廻。
後ろを取られるのは、誘われる時だって知ってる。
やられがちな耳とお尻を、なんとなく警戒する。
「来週、デズニィー行こっか♪」