第37章 番外編Ⅰ 意外なヤツ【潔視点】
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「世界一のストライカー…!エゴイスト…!」
三ヶ月間“青い監獄”でやってきたことを3人で彼女に説明した。
興味深く俺達の話を聞いて、ナイスなリアクションをしてくれる。
思い返すと色々あったな…って、自分を褒めたいわ。
「昨日の試合は身震いしました。“青い監獄”の大きな成果だったんですね。
私、スタジアムで観て…泣いちゃいましたっ…!」
ニコッと柔らかく笑う蜜浦さんに
女子慣れしてない俺がドキッとしてしまったことは、
蜂楽には……間違っても悟られませんように。
「ははっ、ありがとうございます。そう言ってもらえると俺達も嬉しいです。」
「俺は最後まで試合に出たかった。次は負けねぇからな…潔、蜂楽。」
「やってみろよ、我儘お嬢。」
「千切りんにゃ負けないよーん。モチロン潔にも♪」
隣に座る彼女に膝枕をしてもらったまま言う蜂楽。
自由すぎんだろ……。
ちくしょー、羨ましい……!!
「夢、國神って覚えてる?海でビーチバレーしたヤツ。アイツと一緒だったんだ。チームZで。」
「そうだったんだ…!?でも昨日の試合には…」
「脱落しちゃったんだ。さっきの触角に蹴落とされて。」
「そう、なんだ…厳しい世界だね…。」
「夢にちょっかい出すし。身体能力エグいけど、俺アイツきらーい。」